糖アルコールの基礎知識
糖アルコールとは
糖アルコールとは、一般的に、糖質が持つカルボニル基に水素を添加(還元反応)した糖質の総称です。糖アルコールの種類としては、単糖を還元したソルビトールやキシリトール、二糖を還元したマルチトール、水飴を還元した還元水飴などがあります。糖アルコールは、我々が食する植物(果実や野菜、きのこ類など)に加え、動物性食品にも含まれており、食経験豊かな素材です。
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糖アルコールの共通特長
糖アルコールは、共通する3つの特長を有しています。①熱、酸、アルカリに強い:糖アルコールは、反応性の高いカルボニル基を持っていないため、化学的に安定な糖質であることから、熱や酸/アルカリによる分解や着色が起こりにくいです。
②微生物の増殖を抑える:糖アルコールは、微生物の栄養源になりにくいことから、微生物の増殖を抑えます。そのため、食品の日持ちを向上させることができます。
③消化・吸収されにくい:糖アルコールは生物学的にも安定な糖質であることから、消化吸収されにくい糖質です。そのため、低カロリーな甘味料であり、血糖値やインシュリンレベルにも影響しません。
その他の多様な機能は糖アルコールごとに異なりますので、詳しくは「特長」ページをご覧ください。
参考文献:早川幸男, 糖アルコールの新知識, 食品化学新聞社, 2006
糖アルコールができるまで
糖アルコールは、各糖質に水素を添加(還元反応)して作られています。(一部、微生物による発酵によって作られるものもあります。) 糖アルコールの中でも還元水飴は、様々な糖アルコール(単糖や多糖の糖アルコール)の混合物です。原料である澱粉の加水分解の程度によって、できあがる還元水飴の糖組成や物性などが異なります。加水分解の程度の指標としてDE(Dextrose Equivalent)が用いられ、加水分解が進むほどDEは大きくなります。 当社ではDEの高い水飴を原料としたものを高糖化還元水飴、DEの低いものを低糖化還元水飴、中間のものを中糖化還元水飴として分類しています。 当社製品の詳細については「製品ラインナップ」ページや、「特長」ページの「物性表一覧」をご覧ください。
糖アルコールの作り方
糖アルコールのよくあるご質問
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糖アルコールの基本について
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糖アルコールは『アルコール』とありますが、お酒に含まれているアルコールの一種ですか?
糖アルコールは糖質の一種です。糖にアルコール基(ヒドロキシ基)が付与された構造であることから糖アルコールという名称で呼ばれています。エチルアルコールが主成分であるお酒とは異なります。
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糖アルコールは安全ですか?
糖アルコールは自然界に幅広く存在しており、果物や野菜などにも含まれています。 糖アルコールは食生活の中で古くから摂取されておりますので、安心な食品素材です。
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糖アルコールの緩下性について教えて下さい。
糖アルコール類を一度に多く摂取すると、個人差もありますが、お腹が一時的に緩くなることがあります。これは小腸で消化・吸収されなかった糖アルコール類が大腸にまで移行し、大腸内浸透圧が上昇するためと考えられています。 一過性のものですが、配合量が多い場合には多量摂取について注意を促す表示を記載することをお勧めします。 表示例:一度に大量に摂取すると、体質によってお腹が緩くなることがありますが、これは一過性のものなので安心してお召し上がりいただけます。
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還元水飴を食品に使用した場合、添加物表記になりますか?
還元水飴は食品扱いですので「食品表示」でご使用いただけます。 また、各製品の表示例については、下記の表をご参照ください。
製品名 製品形状 一般名 主な表示例 高糖化還元水飴 スイートPEM 粉末 還元水飴 粉末還元水飴 還元水飴 粉末還元水飴 エスイー500 70%液 還元水飴 還元分岐オリゴ糖 還元水飴、 還元分岐オリゴ糖 エスイー600 70%液 還元水飴 還元水飴 中糖化還元水飴 エスイー57 70%液 スイートOL 70%液 低糖化還元水飴 エスイー30 70%液 エスイー100 70%液 スイートNT 70%液 マルチトールシラップ マルビット 75%液 還元麦芽糖水飴 マルチトールシラップ 還元麦芽糖水飴、 マルチトールシラップ、 還元水飴 エスイー20 70%液 還元水飴 マルチトールシラップ 還元水飴、 マルチトールシラップ スイートG2 70%液 還元水飴 マルチトールシラップ 還元水飴、 マルチトールシラップ その他 エリスリトール 粉末 エリスリトール エリスリトール ソルビトール 70%液 D-ソルビトール液 ソルビトール、ソルビット 甘味料(ソルビトール、ソルビット) 軟化剤<ガムに使用> 粉末 D-ソルビトール キシリトール 粉末 キシリトール 甘味料(キシリトール) キシリトール、キシリット マンニトール 粉末 D-マンニトール マンニトール、D-マンニトール、 マンニット、D-マンニット ラクチトール 粉末 還元乳糖 ラクチトール 還元乳糖、 ラクチトール
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糖アルコールは食品に対してどのような効果がありますか?
よく知られている効果として、食品のカロリー低減、加熱時の褐変防止、食品への浸透性向上、照りツヤ向上などの効果がございます。その他にも、様々な食品へ多岐に渡る特長がございますので、ぜひ「糖アルコールの特長」ページをご覧ください。
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還元水飴とは何ですか?糖アルコールとは異なるのでしょうか?
還元水飴は糖アルコールの一種です。澱粉を加水分解して得られる水飴を還元したものが還元水飴であり、単糖・オリゴ糖・多糖アルコールの混合物です。
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還元水飴の「高糖化」「低糖化」とはどのような意味でしょうか?また、それぞれどのような特徴がありますか?
還元水飴の原料である水飴は、澱粉を酸や酵素などで分解(糖化)することにより得られます。 その糖化の程度(糖化度)の違いに応じて高糖化還元水飴、中糖化還元水飴、低糖化還元水飴に分類されます。 高糖化還元水飴は糖化度が高いので短鎖の糖アルコールを、低糖化還元水飴は糖化度が低いので長鎖の糖アルコールを多く含んでいます。 物性面では粘度、甘味度、浸透性等の違いがあり、また特長面では各種風味の増強やマスキング等の効果に違いがあります。 詳しくは「製品ラインナップ」「糖アルコール物性表一覧」ページをご覧ください。
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粉末状の還元水飴はないのでしょうか?
高糖化還元水飴の「スイートP EM」、低糖化還元水飴の「エスイーP」を取り揃えています。 詳しくは「製品ラインナップ」ページをご覧ください。
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糖アルコールの使い方
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からあげ添加する糖アルコールの最小量は決まっていますか?
対肉1.5%程度でも効果は見られますが、 まずはわかりやすいところで、6%配合して効果を感じていただければと思います。
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砂糖などの粉末物を、液状の糖アルコールに置き換える際の計算方法を教えてください。
一部*を除き、当社の糖アルコール液状製品は固形分が7割、水が3割となっていますので、置換する際は砂糖量と糖アルコールの固形分量を揃えてください。
(例)砂糖10gをエスイー30に置き換える場合エスイー30を14.3g配合してください。14.3gのうち10gが固形分、4.3gは水分となりますので、 食品中の水分量を4.3g減らしていただくことで、全体の食品重量を変えずに糖固形分のみ置換することができます。 (*マルビットは固形分7.5割です)
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