液状品のソルビトールを冬場に使おうとしたら、白い固形物が・・・なんだか下の方が固まってない!?!?
皆さまはこんな経験ございませんか?実はその白い固形物はソルビトールの結晶なのです。
今回はソルビトール※の結晶化について簡易検証を行いましたので、皆さまにご紹介させていただきます。
※ソルビトール・・・グルコースから製造される単糖の糖アルコールです。化粧品分野では保湿力・可塑性・しっとり感を付与するために利用されることが多く、純度によって液製品、粉末製品と複数のグレードが存在します。詳しくはこちら。
まず、当社ソルビトール液製品で純度の異なる3種のグレード(純度:ソルビトールF < ソルビトールC < ソルビトールS)を5℃の冷蔵庫で約2か月保管しました。その結果、ソルビトールSにおいてのみ白い結晶を確認しました(図1)。
なお、5分ほど湯煎すると結晶は溶解し、元に戻りました。
※補足:常温保管ではいずれの製品も結晶は発生していませんでした。
【図1】ソルビトール結晶の析出(5℃・2カ月保存)
結晶化のメカニズムには「水に対する溶解度」と「成分の純度」が強く関係しています。
皆さん、学生の時の理科の授業を思い出してください。「溶解度曲線」という用語、覚えていませんか?
基本的に低温であるほど水に対する溶解度が低くなるため、冬場や今回の実験のような冷蔵条件下では結晶化が発生しやすくなります。(図2)
【図2】溶解度曲線
また、今回検証を実施した中では、ソルビトールSが最も純度が高い液製品です。
溶けている成分の純度が高いほど、結晶化しやすいという点はイメージしやすいのではないでしょうか。
今回の検証では冷蔵保管条件下においてソルビトールSのみ白い結晶が析出した結果となりました。
「ソルビトールの液製品が冬場に結晶化するのはしょうがない・・・」「ソルビトールの液製品ってどれも一緒だと思っていた」「純度が高い方が良いと思っていた・・・」などの感想をいただくことがあります。今回使用したソルビトール液製品は、純度が高い順にソルビトールS、C、Fとなっています。化粧品業界の関係者の方で、ソルビトールの液製品をご検討でしたら、まずはソルビトールCからご検討いただくことをオススメしています。
この他にも、当社ではソルビトールの粉末品も取り扱っています。また製品ごとに保有する規格や認証も異なりますので、製品開発の状況やニーズに応じて使い分けていただくことで、幅広い商品にお使いいただけます。