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糖ある工房
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浅漬けは、その調味液の食塩濃度が1-3%程度と、漬物の中でも比較的低いことが知られています。
そのため、 原料野菜の洗浄や保存状態が好ましくない場合には 容易に微生物が増殖し、過剰な酸味により風味を損ね、商品の品質が低下してしまいます。この現象は「酸敗」と呼ばれています。
近年の健康志向の高まりから減塩タイプの浅漬けの需要が高まっていることを背景に、この「酸敗」を抑制することが重要な課題となっています。
漬物の発酵においては、発酵初期にロイコノストック細菌が増殖し、pHを低下させることが知られています。
以下に示すように、糖アルコールは、ロイコノストック細菌の増殖を抑制することにより浅漬けの酸敗を抑制し、日持ち向上に寄与できることが示唆されました。
実験データ①
【試験方法】
浅漬けに由来する乳酸菌を用いて、スクロースならびに各糖アルコールによる培養試験を行った。
※各糖アルコール
・エリスリトール
・ソルビトール
・マルビット(還元麦芽糖水飴)
・エスイー600(高糖化還元水飴)
【結果】
糖アルコールは、浅漬け由来の乳酸菌であるロイコノストック細菌の増殖を抑制した。
【図1】培養試験における糖アルコールの添加効果:0%添加区と比較し菌の増殖が有意に変化していた試験区を*で示した。
実験データ②
【試験方法】
茄子浅漬けにおいて、調味液に各種糖アルコールを添加し、pHおよび茄子浅漬けに存在する菌の占有率を測定した。
尚、糖アルコール無添加群をコントロールとした。
【結果】
糖アルコール添加処方ではpHの低下が抑制されていた。(図2)
さらに、ロイコノストック細菌の増殖が抑制されていることが確認できた。(図3)
【図2】糖アルコールを処方した浅漬け調味液のpH測定
【図3】糖アルコールを処方した浅漬け調味液の細菌叢解析
各種浅漬け
茄子、きゅうり等の浅漬け
※本記事に記載の実験データは測定値の代表例であり、保証値ではありません。
※本記事は、食品業界の関係者並びに関連する業務に従事している方への情報提供を目的としたものであり、一般消費者の方に対する情報提供を目的としたものではありません。
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