【ブランチングエンザイム】水産練り製品の食感向上・老化防止

研究・テーマ
製品種類 酵素
用 途 食品、揚げ物、水産・畜肉
特 徴 食感
製 品 MariTex BE

研究の背景

水産練り製品に使用されるすり身などの原材料費、光熱費、人件費などの高騰によって各メーカーにおける収益性の確保が一層難しくなっています。ただ、すり身の一部をより安価なタピオカ加工澱粉へ置き換えてコスト削減を図る際には2つの課題があります。

 

1つ目は、すり身特有のしなやかな食感が失われ、好ましくない食感になること、2つ目は、タピオカ加工澱粉を高配合した製品が独特のもちもちした食感が強く出てしまうことです。タピオカ加工澱粉を高配合した場合でも、もちもちした食感を出さずにすり身の好ましい食感を維持することができれば、より美味しい製品の実現とコストダウンの両立が可能となります。

 

また、複数の酵素を組み合わせて使用することで、さらなる食感改良の効果が期待できます。

解決方法・データ

タピオカ加工澱粉が配合された水産練り製品に酵素を使用することで、食感改良とコストダウンが期待できます!

実験データ①:タピオカ加工澱粉(アセチル化リン酸架橋澱粉)配合かまぼこ

タピオカ加工澱粉(アセチル化リン酸架橋澱粉)を使用したかまぼこにおける、ブランチングエンザイム(製品名:MariTex BE)による食感改良と老化防止効果の検証。

下記配合(表1)および製造方法(図1)にてかまぼこを作成し、硬さ・弾力性を評価した。

【表1】かまぼこの配合

1. スケソウすりみ投入、そぼろ状まで粉砕
2. 食塩投入、1分撹拌、かきおとし

3. その他の原料を投入、4分撹拌

4. 脱気、ケーシング詰め

5. 90℃、30分加熱→冷却

6. 冷蔵で1晩または1ヶ月保管後、物性測定

【図1】かまぼこの製造方法

【結果】

酵素を使用することにより、タピオカ加工澱粉を10%配合した際に感じられるモチモチ感が酵素の濃度依存的に低下した。

また、酵素配合品は澱粉5%配合品と食感が比較的近くなっていた。

 

酵素を使用したサンプルは30日間冷蔵保管後でも老化があまり進んでいなかった。

アセチル化リン酸架橋澱粉が持っている澱粉の老化抑制効果は維持されていた。(図2)

【図2】物性測定結果

実験データ②:タピオカ加工澱粉(リン酸架橋澱粉)配合かまぼこ

タピオカ加工澱粉(リン酸架橋澱粉)を使用したかまぼこにおける、ブランチングエンザイム(製品名:MariTex BE)による食感改良と老化防止効果の検証。

下記配合(表2)および、実験1と同じ造方法(図1)にてかまぼこを作成し、硬さ・弾力性を評価した。

【表2】かまぼこの配合

【結果】

酵素を使用することにより、タピオカ加工澱粉を10%配合した際に感じられるモチモチ感が酵素の濃度依存的に低下した。

また、酵素配合品は澱粉5%配合品と食感が比較的近くなっていた。

 

酵素を使用したサンプルは30日間冷蔵保管後でも老化があまり進んでいなかった。(図3)

【図3】物性測定結果

こんな用途に使えます

アイテム

効果

推奨添加量

おすすめの併用酵素

酵素と添加量

効果

澱粉高配合

水産練り製品全般

(特にタピオカ加工澱粉を使用した製品)

食感改善

(特にタピオカ加工澱粉のモチモチ感軽減)

効果範囲:100~2000ppm

最適添加量:500~1000ppm

トランスグルタミナーゼ:500~2000ppm

ゲルの低下抑制

他にもさまざまな使い方をご提案できます!詳しくはお問合せください。

使用している製品

・MariTex BE(ブランチングエンザイム) 

※ノボザイムズ社酵素:詳しくはお問い合わせ下さい。

※本記事に記載の実験データは測定値の代表例であり、保証値ではありません。

※本記事は、食品業界の関係者並びに関連する業務に従事している方への情報提供を目的としたものであり、一般消費者の方に対する情報提供を目的としたものではありません。

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