ケストースは、スクロースに1分子のフルクトースが結合した三糖のオリゴ糖で、タマネギやライ麦など、我々が日常的に摂取する野菜や果物にも少量ながら含まれている、安全性の高い糖質です。ケストースは、砂糖によく似たまろやかな味質(甘味度:30)で、水への溶解性が高く、耐熱性にも優れることから食品加工時の利便性が高い食品素材です。また、ケストースは難消化性を示し、経口摂取後は消化されることなく消化管下部へと輸送され腸内細菌により選択的に利用されるため、プレバイオティクスとなり得る条件を備えています。
筋肉を増やすためのトレーニングや、ダイエットなどのシーンで活用されているプロテイン。
実は使い方を間違えるとおなかの不調の原因となってしまうことをご存知でしょうか?
プロテインの主成分となるタンパク質は、筋肉の材料になるだけでなく、健康維持や抗老化、美容の上でも必要な栄養素です。しかし、タンパク質を過剰に摂取してしまうと腸内で悪玉菌が増殖してしまい、おなかの不調の原因になってしまうことがあります。そうすると、せっかく摂ったプロテインからタンパク質が補給できないだけでなく、身体に負荷もかかってしまいます。
タンパク質の過剰摂取によるおなかの不調の対策方法としては、腸内の悪玉菌を増やさないこと、つまり腸内環境を整えることが非常に重要となります。
フラクトオリゴ糖の一種であるケストースには腸内を悪玉菌が活動できない環境に変え善玉菌のみを増やす作用があります。そこで、プロテインを日常的に摂取している方がケストースを摂取した場合を想定した実験を実施しました。
【試験方法】
ラットを図1の様に4つのグループに分け、2週間飼育した。
飼育終了後に腸内容物を採取し、腸内細菌叢におけるビフィズス菌の割合を調べた。
【図1】ラットのグループ分け
【図2】腸内細菌叢におけるビフィズス菌の割合
【結果】
高タンパク質なエサとケストースの両方を摂取したグループでは、腸内細菌叢におけるビフィズス菌の割合が顕著に増加した。(図2)
プロテインとケストースは腸内環境を相乗的に改善することで、プロテインユーザーが抱えるおなかの調子に関する悩みをサポートすることができるかもしれません。
※本記事は、食品または化粧品業界の関係者並びに関連する業務に従事している方への情報提供を目的としたものであり、一般消費者の方に対する情報提供を目的としたものではありません。