イヌなどのペットの腸内にも、人間と同じように多種多様な細菌が生息し、複雑な生態系(腸内細菌叢)を形成しています。腸内環境が健全に保たれることは、食べたもののスムーズな消化吸収だけでなく、全身の免疫機能の維持や、健やかな皮膚・被毛を保つための土台となります。
近年、獣医学の分野でも「腸内環境と各種疾患の関連」に関する研究が急速に進んでいます。加齢やストレス、食生活の変化によって腸内環境が乱れると、便通のトラブル(軟便や便秘)だけでなく、免疫機能の低下や皮膚トラブルなど、様々な健康課題の引き金になると考えられています。
だからこそ、日々の食事を通じた「腸内環境のケア」が、ペットの健康寿命を延ばす上で極めて重要なのです。
ケストースは、スクロースに1分子のフルクトースが結合した三糖のオリゴ糖で、タマネギやライ麦など、我々が日常的に摂取する野菜や果物にも少量ながら含まれている、安全性の高い糖質です。
・難消化性:胃や小腸で消化されず、大腸までしっかり届き、腸内細菌(有用菌)の良質なエサとなります。
・まろやかな味質:砂糖の約30%の甘味度でクセがなく、ペットの嗜好性を妨げません。
・高い水溶性:水に溶けやすく、ウェットフードや液体サプリメントへの配合にも適しています。
・優れた耐熱性:熱に強いため、ドライフード製造時の高温加熱(エクストルーダー等による押し出し成形)でも機能性を
維持しやすいのが特徴です。
ケストースは、腸内の有益な菌を選択的に増やす「プレバイオティクス」として働き、ペットの腸内環境を内側からサポートします。
当社では、ケストースが実際のイヌの腸内環境にどのような影響を与えるのかを検証するため、以下の臨床試験を実施しました。
【試験方法】
健常な成犬ビーグル (約10kg) に対し1日2gのケストースを8週間投与し、腸内細菌数の定量および代謝物である酪酸濃度を測定した。
【結果】
ケストースを8週間給与した結果、以下の変化が確認された。1)
① Lactobacillus属(乳酸菌)の増加
ケストースの給与により、ヒトの有用菌の代表格であるLactobacillus属の細菌数が増加した。乳酸菌は腸内を酸性に保ち、有害な菌の増殖を抑える働きが期待される。
② Bifidobacterium属(ビフィズス菌)の増加
同じくヒトの有用菌であるBifidobacterium属の増殖も確認された。ビフィズス菌は腸内環境のバランスを整え、有害菌の増殖抑制に寄与する重要な菌種である。
③ 腸のエネルギー源「酪酸」濃度の上昇
試験結果から、腸内細菌が作り出す短鎖脂肪酸の一種「酪酸(らくさん)」の濃度上昇も確認された。
酪酸には、腸内を酸性に保つだけでなく、免疫力を高める機能があり、ペットの健康分野でも重要視されている。
1) Ide K, Shinohara M, Yamagishi S, Endo A, Nishifuji K, Tochio T. 1-Kestose, Kestose supplementation exerts bifidogenic effect within fecal microbiota and increases fecal butyrate concentration in dogs. J Vet Med Sci. 2019 (in press).
ケストースの魅力は整腸作用だけに留まりません。長年の研究を通じ、多彩な機能性が確認されています。
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