化粧品の接着性・残存性・耐水性への効果

研究・テーマ
製品種類 糖アルコール
用 途 化粧水、乳液、スキンケアクリーム、日焼け止め、メイクアップ、ヘアスタイリング剤
特 徴 水溶性、接着性、耐水性
製 品 アクアオール#2

研究の背景

アクアオール#2(表示名称:加水分解水添デンプン、水)は従来のものよりも⾼分⼦を多く含む糖アルコールです。⾼分⼦の糖アルコールを多く含むことで、被膜形成や接着⼒といった特徴を持ち、保湿ではない新たな使い方ができる可能性を秘めています。被膜・接着・耐水といった点に着目して検証を行いました。

 

※アクアオール・・・トウモロコシなどのデンプンから得られた加⽔分解デンプンを⽔素添加することによって得られる糖アルコールの⼀種であり、化粧品専用原料(表示名称:加水分解水添デンプン、水)です。詳しくはこちら

試験データ

実験データ① 接着性

【試験方法】

アクアオール #2を接着剤として⽤いたつけまつげを⼿の甲に接着し、レオメーターを⽤いて、つけまつげを取った時の荷重を接着⼒とした。尚、⽐較対象は⼈体接着⽤向けに配合されるアクリル樹脂とした。

【図1】レオメーターを用いた接着力比較

【図2】試験概要

【結果】

つけまつげの糊として一般的に使用されているアクリル樹脂と比較し、アクアオール #2は同等の接着力を有することが明らかとなった。(※特許出願中)

 

実験データ② 肌への残存性

【試験方法】

ヒト上腕内側の1cm×1cmの枠内に着色した各種試料を10mLずつ塗布し、室温で30分間乾燥させた。

その後、セロハンテープを貼り付け剥がし、肌の着色面積を測定した。

【図3】肌への接着剤の残存率比較

【図4】肌への接着剤の残存の様子

【結果】

接着力を検証した実験①と同じく、つけまつげの糊として一般的に使用されているアクリル樹脂と比較し、アクアオール #2は

接着剤の肌への残存性が少ないことが明らかとなった。

以上より、アクアオール#2は従来の接着剤原料と同等の接着⼒を持ちつつ、肌への残存性が少ないという特徴を有することが⽰唆されました。肌に直接つける化粧品への利用において、肌残りがしにくいという点でより安心してご利用いただける化粧品に応用できると考えています。

 

実験データ③ 耐水性

【試験方法】

赤色色素で着色した各糖原料を、バイオスキンプレート上の枠内に0.1gずつ塗布し、室温で30分乾燥させた。

その後、5mLの水が入ったカップで10回上下に振とうさせた後(カップシェイク法)、カップに移行した色素の吸光度を測定した。

【図5】吸光度による耐水性評価

 

【図6】試験概要

【結果】

各糖原料の中では、アクアオール#2は最も吸光度が低く、耐水性に優れることが確認された。

 

アクアオール#2は、「膜感」や「接着性」という特徴が強く、かつ水溶性原料の中では耐水性を持ち合わせています。リーブオン化粧品の場合、汗や湿気に耐えうる耐水性が重要である場合が多いかと思います。

アクアオール#2は化粧品の使用時には耐水性を発揮しながらも、洗浄時には容易に落とすことが可能です。これまでの糖アルコールのイメージにはない特徴であり、今後の活用が期待されます。

こんな用途に使えます!

 ✓スキンケア  ⇒ 洗い流すパック、スキンケア品全般

 ✓ヘアケア   ⇒ スタイリング剤、アウトバストリートメントなど

 ✓メイクアップ ⇒ 人体向け接着剤、メイクアップ品など

使用している製品

アクアオール#2

※特許出願中

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被膜効果
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ヘアスタイリング(セット力)
やわらかい被膜剤(コラム)

※本記事は、化粧品業界の関係者ならびにその関連業務に携わる方を対象に、適正にご利用いただくための情報提供を目的としたものであり、一般消費者の方に対する情報提供を目的としたものではありません。

※製品化の際には、薬機法等の関連法規を遵守ください。

※実験データは測定値の代表例であり、最終製品での効果や安全性を保証するものではありません。

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