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糖ある工房
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生のフルーツが茶色などに変色してしまうことがよくありませんか?
生のフルーツは良好な果実味及び甘味、鮮やかな色味を有するため、生食だけでなく、和洋菓子など様々な用途で利用されています。一方で、鮮やかな色味は購買意欲に大きな影響を与えますが、生のフルーツは酸化等の要因により経時的に変色又は退色しやすい傾向にあります。変色又は退色により外観不良となり、最終的にはその多くが廃棄処分となっています。
そこで、糖アルコールを用いて果実の変色防止効果の検証を行いました。
実験データ:マスカットの変色抑制
【試験方法】
何も添加していない浄水をコントロールとし、固形分で1%~20%まで糖アルコールを添加した浸漬液を調製した。
マスカットは浸漬直前に皮をむいて試料とした。それぞれの試料を浸漬液に漬け、浸漬前後の変化を写真、果実のBrix、官能評価にて比較した。
浸漬前
浸漬後(コントロール)
エスイー600 10%
(浸漬後)
エリスリトール 10%
(浸漬後)
図1 マスカットにおける変色
【結果】
浸漬前、浸漬液に180分間浸漬したマスカットの写真を比較した(図1)。
浸漬前は全体に黄緑がかった色であるが、浸漬180分後にはコントロール処方は全体が薄茶色に変色していた。エスイー600、エリスリトール処方では、全体に黄緑色が残っており、薄茶色の変色はほとんど見られなかった。
図2 果肉のBrix
【結果】
次に、果実のBrixを測定した結果を図2に示した。
浸漬前はBrix16であったが、浸漬後はコントロール処方で12.5まで低下していた。これは浸漬中に果肉の糖類が溶媒中に溶けだしたあるいは溶媒が流入した結果であり、果肉の味質変化を示していた。一方で、エスイー600、エリスリトール処方では、浸漬後Brixが15となっており、Brix低下による味質変化が抑えられていた。
次に、浸漬前と浸漬後の果肉を官能評価により比較した(図3)。浸漬前の評価点を 5 とした場合、コントロール処方では、味の濃さ、甘味ともに半分以上評価が低下した。エスイー600とエリスリトール処方では、どちらの評価項目においても評価の低下が抑えられていた。
これらの結果より、果実の浸漬において、糖アルコールは変色・食味の低下を抑制することが出来た。
生フルーツ フルーツタルト フルーツゼリー など
※本記事に記載の実験データは測定値の代表例であり、保証値ではありません。
※本記事は、食品業界の関係者並びに関連する業務に従事している方への情報提供を目的としたものであり、一般消費者の方に対する情報提供を目的としたものではありません。
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