泡質向上・泡安定性への効果

研究・テーマ
製品種類 糖アルコール
用 途 シャンプー、洗顔料、ボディウォッシュ
特 徴 泡質
製 品 アクアオール#2

研究の背景

私たちの生活の中には、洗顔料・ボディソープ・ハンドソープ・シャンプーなどの泡に関する化粧品が数多く存在します。

泡を利用することによって、肌や髪への摩擦負担の軽減、使用感の向上、また小さなお子様でも洗いやすいことから成分が行き届きやすくなるなどの効果が挙げられます。昨今では泡の使用感を訴求した製品も増えており、泡への関心が高まっていると言えます。

泡立ちや泡質改善として利用される原料には様々なものがありますが、当社では糖アルコールを用いた泡への効果について検証しています。

試験データ

実験データ① 泡質評価

【試験方法】

1. アミノ酸界面活性剤 5%、多価アルコール 5% (固形分換算)、水 残余 (wt.%)を溶解し、ポンプフォーマーに充填した。

2. 23±1℃の環境下において、2回 / 秒の速度で吐出した泡をマイクロスコープで観察した(測定倍率100倍)。

※アミノ酸界面活性剤:ココイルグルタミン2Na、水

【図1】 泡吐出直後のマイクロスコープ画像

 (左から、グリセリン配合、アクアオール#2 配合、ソルビトール配合)

 

 

【図2】泡吐出1分後のマイクロスコープ画像

 (左から、グリセリン配合、アクアオール#2 配合、ソルビトール配合)

【結果】

図1より、グリセリン配合処方では1つ1つの泡の大きさが異なっていたが、アクアオール#2配合処方の泡は約250μm以下のものが多く、泡のキメ細かさが確認された。また、吐出1分後の写真(図2)と比較すると、グリセリン配合処方では1つ1つの泡の大きさが大きくなっていることが確認できるが、アクアオール#2配合処方では泡の肥大化を抑え、キメ細かい泡を維持できていることが確認できた。また、ソルビトール配合処方と比較してもアクアオール#2配合処方の方がキメ細かい泡であることが確認された。

 

実験データ② 安定性評価

【試験方法】

1.アミノ酸界面活性剤 5%、多価アルコール 5%(固形分換算)、水 残余(wt.%)を溶解し、ポンプフォーマーに充填した。
2. メモリ付きガラス容器に2回 / 秒の速度で7g泡を吐出し、吐出後5分~30分まで5分ごとに排液量を測定した。吐出した泡は経時変化とともに液体に戻り、排液として排出される液体の量を測定することで泡の安定性評価とした。
※アミノ酸界面活性剤:ココイルグルタミン2Na、水

【図3】排液量の測定結果

【図4】 排液量測定 吐出5分後の泡写真

【結果】

図3より、多価アルコール無添加処方又はグリセリン配合処方又はソルビトール配合処方の場合は吐出5分後から40%以上の泡が、吐出30分で70%以上の泡が液体に戻ることが確認された。アクアオール#2配合処方の場合は吐出5分後から排液量が抑えられ、経時的に見ても泡を維持することが出来た。

また、吐出5分後時点の泡写真を図4に示した。アクアオール#2配合により排液量を抑え、泡を維持できていることが確認された。

 

実験データ③ 官能評価

【試験方法】

1. 表1のように洗浄料を調製し、ポンプフォーマーに充填して試料とした。
2. ポンプフォーマーで1プッシュ分(約0.4g)泡を吐出し、見た目の評価を行った。
3. ポンプフォーマーで4プッシュ分(約1.5g)泡を手のひらに吐出し、20回手のひらですり合わせて泡質の評価を行った。
4.流水で泡を流し、洗い流し時のぬるつきの有無を評価した。
※各試験の評価実施後は時間を置き、手の乾燥による影響がないよう考慮した。

【表1】洗浄料の配合割合

【図5】グリセリン① (5%)との比較結果

【図6】グリセリン② (10%)との比較結果

【結果】 グリセリン①処方との比較では、アクアオール#2配合処方の方が泡の濃密さが向上しており、見た目にもツヤのあるキメ細かい泡となっていた(図5)。グリセリン②処方との比較では、泡の弾力の強さ・濃密さにおいて有意に向上していた(図6)。 このように、アクアオール#2には泡質向上・泡の安定性向上効果があり、良質な泡を長持ちさせることが出来ます。また、泡を利用する洗浄料などに配合することで、キメ細かい泡による感触向上や使用感の向上にお使いいただけます。

こんな用途に使えます!

ヘアケア:シャンプー

スキンケア:洗顔料,ボディシャンプー

使用している製品

アクアオール#2

※特許出願中

アクアオールについて

※本記事は、化粧品業界の関係者ならびにその関連業務に携わる方を対象に、適正にご利用いただくための情報提供を目的としたものであり、一般消費者の方に対する情報提供を目的としたものではありません。

※製品化の際には、薬機法等の関連法規を遵守ください。

※実験データは測定値の代表例であり、最終製品での効果や安全性を保証するものではありません。

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