ヘアカラーの褪色抑制効果(カラーケアシャンプー)

研究・テーマ
製品種類 糖アルコール
用 途 ヘアケア用品、シャンプー、ヘアカラー
特 徴 褪色抑制
製 品 アクアオール#2

研究の背景

ヘアカラー剤は、通常、髪色を2カ月程度維持できるとされています。

しかし、紫外線や残留アルカリの影響で褪色が早まることがあり、特にシャンプーでの洗髪は、ヘアカラー褪色の大きな要因と考えられています。

また、近年は新型コロナウイルスの影響により美容院に行く頻度が減少し、ヘアカラーの色味を維持できる『ホームケアの需要』が高まっています。そこで、当社では糖アルコール製品(アクアオールシリーズ)を用いた褪色抑制の効果を検証いたしました。

 

※アクアオール・・・トウモロコシなどから得られたデンプンを加⽔分解し、さらに⽔素添加することによって得られる

糖アルコールの⼀種であり、植物由来の化粧品専用原料です。詳しくはこちら

試験データ

実験データ① スクリーニング試験

【表1】 実験データ①使用のシャンプー処方

【試験方法】

1.ブリーチ毛を市販染毛剤(赤系)にてヘアカラーを行った。
2.分光光度計を用いて360nm~780nmの波長の反射率を測定し、L*a*b*値を算出した。
3.毛髪を固形分換算で10%となるようグリセリンまたは糖アルコール(アクアオール#1、アクアオール#2、ソルビトール)を配合した各シャンプー(表1)を使用して、洗髪および乾燥を行った。水処理は界面活性剤などを含まず、毛髪を水で洗浄した。
4.分光光度計を用いて360nm~780nmの波長の反射率を測定し、L*a*b*値を算出後、ヘアカラー直後との色差(ΔE*ab)を算出した。

【図1】 染色毛を水またはシャンプー液に浸漬した後の写真

【図2】 シャンプー処理前後の色差(赤系染毛剤)

【結果】

洗髪後の毛髪写真(図1)の通り、無添加のシャンプーで洗髪した場合、毛髪の色味の褪色が見られましたが、アクアオール#2 を配合したシャンプーを使用した場合は、ヘアカラーの色味が維持されていることがわかりました。また、色差の値(図2)からも、アクアオール配合により色差の値が小さく、褪色抑制効果が確認されました。

 

実験データ② アクアオール#2 の配合濃度検討

【試験方法】

1.ブリーチ毛を市販染毛剤(赤系)にてヘアカラーを行った。
2.毛髪を表1の処方から、固形物換算で0.5~15%となるようアクアオール#2を配合した各シャンプーを使用して、洗髪および乾燥を行った。水処理は界面活性剤などを含まず、毛髪を水で洗浄した。
3.色差(ΔE*ab)は実験データ①と同様に算出した。

【図3】 アクアオール#2の褪色抑制効果の濃度検討

【結果】

色差の値(図3)から、アクアオール#2を固形分1%以上配合することで、褪色抑制効果が確認されました。

 

実験データ③ 幅広い色相・製剤への効果

【試験方法】

色差の値(図4)からアクアオール#2の褪色抑制効果は青系の染毛剤に対しても確認されました。
また、他の色相(緑系、茶系、黒系)の染色毛髪を用いて検討したところ、同様にアクアオール#2による褪色抑制効果が確認されました(掲載は割愛)。さらに、白髪染め(永久染毛剤)やカラートリートメント(半永久染毛料)といった製剤でも同様の効果を確認しています(掲載は割愛)。


以上のように、幅広い色相や製剤においても、アクアオール配合によるシャンプー処方での褪色抑制効果が期待されます。

【図4】

シャンプー処理前後の色差(青系染毛剤)

こんな用途に使えます!

ボトル

ヘアケア:シャンプー

使用している製品

アクアオール#2

※特許出願中

アクアオールの各種研究について

ヘアカラーの染色性アップ
水溶性の被膜形成剤

※本記事は、化粧品業界の関係者ならびにその関連業務に携わる方を対象に、適正にご利用いただくための情報提供を目的としたものであり、一般消費者の方に対する情報提供を目的としたものではありません。

※製品化の際には、薬機法等の関連法規を遵守ください。

※実験データは測定値の代表例であり、最終製品での効果や安全性を保証するものではありません。

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