発泡性商品へのエリスリトール展開

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開発ストーリー
製品種類 糖アルコール
用 途 打錠品
特 徴 発泡
製 品 エリスリトールF、エリスリトール50M、エリスリトール顆粒DC

発泡×エリスリトールのあゆみ

エリスリトールの新しい効果の探索 (エリスリトールの概要はコチラ

エリスリトール顆粒DCの開発の次のステップとして、口腔内崩壊錠(OD錠)への展開を期待し基礎研究を進行していました。OD錠は口腔内で唾液または少量の水でも速やかに崩壊し、in vitro試験(試験管内 での試験)として、「30秒以内の崩壊時間」を評価系としています。
開発当初は崩壊時間30分(秒ではなく!)の評価が続き、研究が難航していました・・・。
エリスリトールの吸熱性物性から、錠剤溶解時に溶媒との接触面を冷却することにより、溶解遅延が起こっているのでは?と推測し、開発当初は、錠剤作成と評価を繰り返す、じっと待っているだけの不毛な時間が続いていました。

こうした苦悩の中、お客様から別の課題として、シュワシュワ感などを付与した、発泡性のある商品(錠剤、顆粒品)がほしい!

といったリクエストが多くなってきました。

加えて、発泡成分は経時安定性が悪いことから、包材密閉包装後に包材が膨張し爆発してしまうことや、発泡成分を高含有したくてもできないといった問題がありました。

突然のひらめき
研究開発と新製品の営業活動を脈々と進行していく中で、開発担当者の中でひらめきが起こりました。

「発泡錠にエリスリトールを配合してみよう!」と。

発泡錠をビーカー内で溶解させてみると、「白く靄がかかったような」発泡の様子が観察されました。
じっと観察を続けると、発泡時間もとっても長い・・・!! じっと見ていられる錠剤でした。
発泡錠の泡の微細化に、エリスリトールが影響していることがわかり、製造面の課題でもある発泡成分の安定性にも寄与できないか?ということで、この角度からも研究を進行していきました。


その結果、他糖質に比べ、エリスリトールが膨張抑制効果を持つことがわかりました。

発泡性商品への効果

1) 微細発泡(特許出願中 特開2020-23449)
各糖質を配合した発泡性錠剤の気泡径を比較した結果、エリスリトール顆粒DCを配合した発泡性錠剤の気泡径は、グルコース、ソルビトールと比べ、気泡がとても細かいことが確認されました。気泡径は平均37μmのマイクロバブル※が形成されており、その特徴でもある、水中での白濁様の気泡が観察されました。
マイクロバブルは生活の身近で見られる泡に比べ、飛躍的に表面積が向上することから、口当たりなどの特殊な食感が得られることや洗浄性が向上することが期待されています。

平均粒子径(D50)

・エリスリトール:37μm 

・ソルビトール:128μm 

・グルコース:141μm  

各糖質配合による発泡錠の気泡径測定(乾式レーザー回折)

※2013年に国際標準化機構にて「ファインバブル技術専門委員会」が設立され、球相当直径が100μm以下の気泡を「ファインバブル」と呼び、さらにその内訳として、直径が1~100μmの気泡を「マイクロバブル」と定義され、その他の気泡とは明確に区別されています。

実際の発泡時の泡の挙動を、下記動画にてご覧いただくことが可能です。右記QRコードからご覧ください。

各糖質配合による発泡錠の様子(動画)

2)発泡時間の持続性 (特許出願中 特開2020-23449)
「エリスリトール顆粒DC」および「ソルビトール(コントロール)」を配合した発泡錠を作製し、弊社内にて「泡の持続性と食感」に関する官能試験を実施しました。
この結果、ソルビトール(コントロール)に比べ、「エリスリトール顆粒DC」を配合した処方では、発泡時間が有意に増加することが確認できました。

発泡錠1錠(8mmΦ、200mg)を口に入れ、舌の上に置いた瞬間から噛まずに溶けきるまでの時間を測定した。

口腔内における発泡時間比較(n=14)

また、エリスリトール顆粒DC配合の発泡錠では、「きめ」「マイルド感」といった泡の食感に関する評価項目でも、優位に増加することが確認できました。

泡の感じ方について、6項目を設定し、評価を実施した。 ソルビトール処方を3点とし、 エリスリトール顆粒DC処方を1点から5点で評価した。

口腔内における泡の食感評価(n=14)

3) 発泡錠の膨張抑制効果 (特許出願中 特願2019-58689)
発泡錠は、密閉包装し保存した場合、発泡成分が気化し、経時的に膨張するといった問題が存在します。このリスクから発泡錠の商品設計を躊躇うお客様もいらっしゃいますが、発泡錠にエリスリトール顆粒DCを配合することにより、膨張の抑制が可能となることを見出しました。

グルコース(左)とエリスリトール顆粒DC(右)を配合した発泡錠をそれぞれ作成し、40℃4日間アルミパウチで密閉

発泡錠の経時変化

40℃4日間アルミパウチで密閉後の、錠剤を半分に割り、電子顕微鏡にて撮影。矢印は発泡成分の気化後の気泡跡と推測。

発泡錠の断面(SEM画像)

こんな用途に使えます

エリスリトールを発泡性商品に配合することで、

微細発泡が持続する機能が期待できます!

さらに、発泡性商品特有の課題である経時的な膨張も抑制できます!
これらの特徴を生かして、発泡錠菓商品の開発や、食品以外の用途では特殊な入浴剤商品の開発にも利用可能であると考えます。

使用している製品

エリスリトールF 、 エリスリトール50M 、 エリスリトール顆粒DC

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