なぜ今、腸内環境が注目されるのか
「腸活」という言葉が広く浸透し、腸内環境を整えることへの関心は年々高まっています。
腸は「第二の脳」とも呼ばれるように、近年では国内外の研究によって全身の健康との深い関わりが次々と明らかになってきました。
こうした背景から、食品やサプリメントの開発現場においても、プレバイオティクス素材への需要が急速に拡大しています。「腸内フローラを整えたい」「善玉菌を増やしたい」と願う消費者の期待に応えるため、しっかりとした科学的根拠(エビデンス)を持つ素材が、今まさに求められているのです。
本記事でご紹介する「ケストース」は、当社が2009年より地道な研究を積み重ねてきたプレバイオティクス素材です。
15年以上にわたる研究実績のなかから、今回はその根幹となる「整腸作用データ」について詳しく解説いたします。
ケストースとは:プレバイオティクスとしての特性
ケストースは、スクロース(砂糖)に1分子のフルクトース(果糖)が結合した三糖類のオリゴ糖です。実は、タマネギやアスパラガス、ライ麦といった私たちが日常的に口にする野菜や穀物などにも少量ながら含まれており、食経験の豊かな安全性の高い糖質として知られています。
また、ケストースは、砂糖によく似たまろやかな味質(甘味度:30)で、水への溶解性が高く、耐熱性にも優れることから食品加工時の利便性が高い食品素材です。
ケストースは身近な食材にも含まれています。
なぜプレバイオティクスとして機能するのか
ケストースが持つ最大の特長は、その「難消化性」にあります。ヒトの消化酵素では分解されないため、小腸で吸収されることなく、しっかりと大腸まで到達します。
大腸に辿り着いたケストースは、腸内に棲む有用菌(善玉菌)のエサとして選択的に利用され、その増殖を力強くサポートします。このプロセスこそが、ケストースが優れたプレバイオティクスとして機能する最大の理由です。
腸内有用菌の種類と役割
ヒトの腸内には、約3万種・1000兆個の細菌が生息していると言われています。この広大な細菌の生態系は「腸内フローラ(腸内細菌叢)」と呼ばれ、大きく以下の3つのグループに分類されます。
分類
主な働き
有用菌(善玉菌)
菌がつくる代謝物が、宿主にとって良い効果を発揮する
日和見菌
有用菌、病原性菌の優勢なほうに加勢する
病原性菌(悪玉菌)
菌の代謝物が「便秘」「下痢」「癌」など、宿主にとって悪い効果を与える
良好な腸内環境を保つための鍵は、いかにして「有用菌が優勢な状態」を維持するかに尽きます。
ケストースがアプローチする3種の重要コンビ
これまでの試験において、ケストースは特に以下に示す「3種の有用菌」を選択的に増やすことが確認されています。
【Lactobacillus属】
一般的に乳酸菌と呼ばれ、ヨーグルトにも配合されている腸内細菌。乳酸を分泌することで腸内を酸性に保ち、有害菌の増殖を抑制すると言われています。
【Bifidobacterium属】
一般的にビフィズス菌と呼ばれ、ヨーグルトにも配合されている腸内細菌。乳酸と酢酸を分泌することで腸内を酸性に保ち、有害菌の増殖を抑制すると言われています。
【Faecalibacterium prausnitzii属】
酪酸産生菌に分類される腸内細菌で、ヒトの腸内で最も占有率の高い酪酸産生菌として知られている。酪酸産生菌が分泌する酪酸には、腸内を酸性に保つだけでなく、免疫力を高める機能が報告されています。
整腸作用データ:8週間摂取試験の結果
では、実際にケストースを摂取すると腸内環境はどのように変化するのでしょうか。ヒト試験の結果をご紹介します。
【試験方法】
・試験対象 :成人男女6名
・摂取物 :ケストース 5g/日 または マルトース(プラセボ) 5g/日
・摂取期間 :8週間
・測定タイミング:摂取開始前、および摂取8週間後
・測定項目 :糞便中の有用菌数(Lactobacillus属、Bifidobacterium属、Faecalibacterium prausnitzii)
【結果】
1日5gのケストースを8週間摂取した群では、摂取開始前と比較して、ターゲットとなる3種の有用菌すべての菌数が増加するという画期的な結果が得られました。1)
1) Tochio T, Kadota Y, Tanaka T, Koga Y,
1-Kestose, the Smallest Fructooligosaccharide Component, Which Efficiently Stimulates Faecalibacterium prausnitzii as Well as Bifidobacteria in Humans.
Foods. 2018; 7(9). pii: E140. doi: 10.3390/foods7090140.
ケストースならではの強み:なぜ3種同時に増やせるのか?
一般的なプレバイオティクス素材の中には、特定の菌種のみを増やすものも少なくありません。
しかしケストースは、乳酸菌・ビフィズス菌・酪酸産生菌という重要な3種を「同時に」増やせる点が最大の特長です。
フラクトオリゴ糖の中で最小の成分であるケストース(1-kestose)が、Bifidobacteriaだけでなく、Faecalibacterium prausnitziiをも極めて効率的に増殖させるメカニズムについては、すでに学術論文を通じてもその可能性が示唆されています。1)
ケストース機能性シリーズ一覧
ケストースの魅力は整腸作用だけに留まりません。長年の研究を通じ、多彩な機能性が確認されています。
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さらに詳しいケストースの基礎情報、発見の歴史、Q&Aなどにつきましては、開発ストーリー「ケストースとは」にまとめております。
※特許取得済
※本記事は、食品または化粧品業界の関係者並びに関連する業務に従事している方への情報提供を目的としたものであり、
一般消費者の方に対する情報提供を目的としたものではありません。
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