「キシリトール」といえば、ガムや歯磨き粉に利用されることが多く、私たちの生活に身近な糖アルコールです。糖アルコールは知らないけど、キシリトールは聞いたことがある!という方も多いのではないでしょうか?キシリトールの特徴として、「虫歯になりにくい(非う蝕性)」という点が最もイメージしやすいかと思います。
また、SDGsや環境配慮への関心が高まる中で、当社のキシリトールはトウモロコシの芯(コーンコブ)を元に製造される原料であり、食べられない素材からつくられた糖アルコールと言えます。トウモロコシの芯から新たな素材が生まれ、それを化粧品や食品などを通して新たな付加価値として活用すること、それが私たち原料メーカーの使命であると感じています。
サステナブルやアップサイクルへの関心が高まる中、歯にも肌にも地球にも優しい糖アルコール「キシリトール」についてご紹介します。
キシリトールが水に溶ける際に、吸熱反応によりひんやりした冷涼感が得られます。キシリトール配合キャンディを食べた時に少し冷たい感覚があるのはこの特徴が影響しています。粉末状化粧品などに応用できる面白い特徴といえます。
様々な糖アルコールを保有している弊社では、キシリトールの保湿性についても皮膚測定及び官能評価にて検証を行っています。
その結果、角層水分量を増加・維持させる傾向にあることがわかりました(図1)。さらに、化粧水の感触評価では、しっとり感を感じながら、べたつきは抑えられているという評価が得られました(図2)。代表的な保湿剤グリセリンと比べて保湿力は劣りますが、しっとりした感触やべたつきのなさを表現したい場合にはキシリトールが適していることがわかりました。(図1、図2)
保湿力やしっとり感はありながらもべたつきを感じにくい・・・
実はかなりポテンシャルの高い糖原料なのでは?! と研究員自身も実感しているところです。しっとり・保湿を求める糖アルコールといえば「ソルビトール」というイメージが弊社でもあったのですが、キシリトールの高評価を実感し、歯磨き粉以外にもこれまでにあまり使われていなかった用途での応用ができそう?!と期待が膨らみます!
しっとり感や保湿感の表現にはグリセリン・ソルビトール!という従来のイメージを覆し、新たな保湿剤として検討してみてはいかがでしょうか?今後も 歯にも肌にも環境にも優しい糖アルコール としてキシリトールの新たな魅力を発信していきたいと思います。
キシリトール又はグリセリン配合化粧水における、
塗布前後の角層水分量相対値
グリセリン配合品を3点とした場合の官能評価