エリスリトールで頭皮ケア!健やかな毛髪を目指して!

研究・テーマ
製品種類 糖アルコール
用 途 スキンケアクリーム、シャンプー、洗顔料、ヘアケア用品
特 徴 菌増殖抑制
製 品 エリスリトール

研究の背景

近年、頭皮ケアへの関心が高まっており、様々な頭皮ケア製品が販売されています。
頭皮環境を整えることは、フケやべたつきを改善することだけではなく、健康な毛髪を育むためにも重要です。

この頭皮環境に関わる要素のひとつに、マラセチア菌があります。

マラセチア菌は人や動物の皮膚に常在する真菌の一種です。
マラセチア菌は好脂性であり、人の皮脂を栄養源として増殖します。
そのため、皮脂の多い頭皮や背中に定着しやすく、頭皮の常在真菌叢では半数以上の割合を占めています(図1)1)

マラセチア菌が異常に増殖して菌叢のバランスが崩れてしまうと、頭皮トラブルを引き起こすとされています。

そこで、「静菌効果」を有する4炭糖の糖アルコール、エリスリトールを用いて、真菌であるマラセチア菌に対する効果を検証しました。

【図1】頭皮の真菌叢解析

1)suzuki, K. et.al.  Scalp Microbiome and Sebum Composition in Japanese Male Individuals with and without Androgenetic Alopecia. Microorganisms 2021, 9, 2132

エリスリトールの静菌効果について
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試験データ

実験データ in vitro試験:マラセチア菌の増殖試験

【試験方法】

1.寒天培地にマラセチア菌(Malassezia furfur)を塗布し、37℃で3日間培養した。
2.液体培地に1のコロニーを懸濁し、37℃で一晩振盪培養した。
3.96-wellプレートに2の菌懸濁液と各種糖アルコール溶液を分注し、37℃で24時間振盪培養した。
  各種糖アルコールは終濃度5%または10%となるように調製した。
4.吸光度(OD660)を測定し、菌体濁度とした。

【図2】マラセチア菌培養試験

 

【結果】

真菌であるマラセチア菌に対しても、エリスリトールの静菌効果が見られました(図2)。
マラセチア菌の増殖を抑制することは、頭皮の真菌叢を正常に保つことに繋がると考えます。
そして、頭皮の環境を整えることで、フケの発生を抑制したり、健やかな毛髪を育てることができます。

 

また、エリスリトールはさっぱりとしたテクスチャーであるためスッキリとした頭皮ケア製品との相性も良く、

ヘアトニックからシャンプーまで幅広い剤型にご使用いただけます。

こんな用途に使えます!

✓頭皮環境改善に使用できます
✓保湿感がありつつさっぱりとしたテクスチャー

使用している製品

研究データ等はこちら

体臭への効果
アクネ菌への効果
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糖アルコールについて(コラム)
粉末糖アルコール(コラム)

※本記事は、化粧品業界の関係者ならびにその関連業務に携わる方を対象に、適正にご利用いただくための情報提供を目的としたものであり、一般消費者の方に対する情報提供を目的としたものではありません。

※製品化の際には、薬機法等の関連法規を遵守ください。

※実験データは測定値の代表例であり、最終製品での効果や安全性を保証するものではありません。

※本研究は、2022年12月開催の第89回SCCJ研究討論会にて発表されました。

 「エリスリトールによる皮膚常在菌への効果」

 牧田玲奈*1)、保坂浩貴*1)、木村雄輝*1)

 1)物産フードサイエンス株式会社

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